不登校恋愛



「_俺達がまだ、中学1年生の頃ね…_」



私が返事をすると、涼太さんは静かに話を始めた。



__.¨★


_.¨*.¨★



『……ただいま…』


家に帰ると、小さな声でそう言った。



…誰も、返事はしてくれないけど


『…………』


ふと、頭の中で"おかえり"と懐かしい声が頭をよぎった。



…懐かしいな…



岸 涼太、中学1年。


親は海外での仕事が多く、ほとんど向こうに住んでいるようなもの。


小さい頃はお母さん、お父さん、俺の3人で、この家で普通に暮らしていた。


だけどお母さんやお父さんは、俺が大きくなるにつれて、海外に行くことが多くなっていった。



『…………』


この家に帰ってくると、なんだか時々、とても寂しい気持ちになる。



…って…



…俺、女々しいっ



こんな俺、俺らしくないっ



_ピコピコ


俺はポケットからケータイを取り出す。



『……え…』



画面を見ると、予想していなかった人物に、俺は驚いていた。



【お母さん:明日帰るね!】


…明日…帰る…



『…嘘つき~~』


俺はバフッと床に大の字で寝転がる。



『…いつもそう言って帰ってこないくせに…』



俺はグッと目を閉じた。


…あーぁ……



…はやく明日にならないかな…