「_俺達がまだ、中学1年生の頃ね…_」
私が返事をすると、涼太さんは静かに話を始めた。
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『……ただいま…』
家に帰ると、小さな声でそう言った。
…誰も、返事はしてくれないけど
『…………』
ふと、頭の中で"おかえり"と懐かしい声が頭をよぎった。
…懐かしいな…
岸 涼太、中学1年。
親は海外での仕事が多く、ほとんど向こうに住んでいるようなもの。
小さい頃はお母さん、お父さん、俺の3人で、この家で普通に暮らしていた。
だけどお母さんやお父さんは、俺が大きくなるにつれて、海外に行くことが多くなっていった。
『…………』
この家に帰ってくると、なんだか時々、とても寂しい気持ちになる。
…って…
…俺、女々しいっ
こんな俺、俺らしくないっ
_ピコピコ
俺はポケットからケータイを取り出す。
『……え…』
画面を見ると、予想していなかった人物に、俺は驚いていた。
【お母さん:明日帰るね!】
…明日…帰る…
『…嘘つき~~』
俺はバフッと床に大の字で寝転がる。
『…いつもそう言って帰ってこないくせに…』
俺はグッと目を閉じた。
…あーぁ……
…はやく明日にならないかな…



