「あっ、じゃぁ俺は、妹にしたい小さくて可愛い天使みたいな、らーちゃんで!!」
「な、ながいですっっ」
私がツッコミを入れると、涼太くんは少し目を丸くした。
そして二人が数秒見つめ合った後、楽しそうな笑い声が夕やけの空に響いた。
「「……あははっ…」」
_まるで学生が、楽しそうに学校の帰り道を歩いているかのように。
「じゃぁ、ららちゃん」
涼太くんが、私の名前を呼ぶ。
桜田さんって言われた時と、ららちゃんって呼ばれた時って、なんだか全然違うように聞こえます…
…一気に親しくなったかのような気持ちになれるんですね…
「はいっ」
私は嬉しくて、思わず笑顔になる。
私が笑うと、涼太くんもニッと笑い返してくれた。
「あ」
涼太くんが、突然思い出したかのような声をあげて、私をじっと見つめた。
「話すって言ってたのにすっかり忘れてた」
涼太くんはそう言うと、どこか懐かしそうに笑った。
「…聞きたいんでしょ?けーちゃんと出会ったときの話」
涼太くんは、私を試すように微笑みながら、そう言った。
きっと蛍くんと涼太くんだから、素敵な出会いをして、息がぴったり合って仲良くなったのかな?
なんて私は、呑気に考えていた。
「はいっ」



