「あ…どのポケットに…」
後ろとか前とかいろいろありますよね…
「多分、ズボンの前ポケットかな?」
ズボンの前ポケット…
「財布の中にあると思うんだけど…」
私は蛍くんのポケットにそっと手を入れる。
「あ、…し、失礼します…」
普段、人のポケットをガサゴソすることなんてないので、なんだかドキドキしてしまいます…
_ピト
…これかな…
手に当たったものを取り出してみると、それはお財布だった。
お財布の中に鍵…
「あ、ありました」
涼太さんの言ったように、お財布の中に鍵が入っていた。
「ありがと~、かして?」
「あ、わ、わたし開けますっ」
涼太さんは、蛍くんをおんぶしてくれてるので、ここは私がっ
_ガシッ
「わっ」
…へっ
…な…なんでしょう……
自分の手を見ると、ガシッとしっかり蛍くんに腕を掴まれている。
熱があるからなのか、蛍くんの手はいつもより熱くて、暖かい。
「らら」
蛍くんの甘く、低い声が私の耳に入ってくる。
途端に私はカァァと体温が上がっていくような感覚になった。
「……?桜田さん…どうし_」
涼太さんが私に言った言葉は、途中で蛍くんの声によって遮られた。
「好きだよ…」



