「…へ？」
「あっいやっ、なんでもないです」
…珍しい…？
涼太さんはまた少し考えるような仕草をした後、優しい口調で言った。
「俺、けーちゃん家まで送るんで、もう大丈夫ですよ」
「助けてくれてありがとうっ」
＿＿涼太さんは無邪気にニッと笑う。
…涼太さんに感謝されるようなこと…なにもしてないのに…
「いえ…私は何も……」
…蛍くんに何も…してあげられませんでしたし…
私は涼太さんの背中でぐったりしている蛍くんを、チラッと見る。
…蛍くん…辛そう…
「いえいえっ場所分からなかったんで助かりました！」
涼太さんは、またニッと無邪気に笑う。
「…助けになれて…よ、よかったです…」
その笑顔に、いつの間にか自分もつられて笑っていたことに気がついた。
…涼太さんは…
…よく笑う人だなぁ…
涼太さんの第一印象はそれだった。
