パサ_


「………」


…ほんと…こいつは……



いつの間にか、ららの小さいブレザーが俺の肩にかけられていた。


「…お前…」


「…いいからそんなのしなくて…」


…夕方は冷えるし…寒いだろ…


俺は自分の肩にかかっているブレザーを取ると、ららに返した。


「…いえっ、私暑がりなのでっ」


…嘘つくなよ…


ららは、俺にまたブレザーをかけようとする。



……しつけぇ…



「……お前…」



…俺とこんな近くにいて…しかも薄着で…
風邪引いたらどうすんだよ……



俺にかけようとしていたブレザーを掴むと、ららの頭の上にバサッと被せた。



「…お前あんま調子のってると…」


…涼太…まだかな……



…もう……



「………襲うから……」



…限界……


_グラッ



「…とっ…キャッチっ………」



ぼやっとしている景色の中で、力強く誰かに支えられる。


「………」


…涼太…


「うわー、顔真っ赤…よっこいしょっ…けーちゃん寝てていいよ?」


ずっと力を入れていた全身をフッと涼太に身を預けた。



そこからはあんまりよく、


覚えていない。