「…………」


ららは、ふぐっと拗ねたように俺をじっと見つめてくる。


…なに…


…怒ってんのか…?


「……や、だってお前…」


…涼太に通りすがりの方だと思われてるぞ



「…蛍くんのこと、放って帰れるわけないじゃないですか…」


そう言って、ららはスッと立ち上がった。



「やっぱり…わ、私がおぶって帰りますっ」



「…無理だろ」



「…そ、…そうですよね…」


ららはしょんぼりしながら、また隣にちょこんと静かに座った。



「………~っ…」


あー…


頭いてぇ…


…クラクラ…する…


…気抜いたら倒れそう…


…涼太くるまでは耐えないと


「…蛍くん?…わたし…薬とか買ってきますっ」


俺が俯いているのを見たからか、ららは不安そうな声色でそう言った。



「…大丈夫…大丈夫……てゆうか、まじで帰っていいから…涼太くるし…」


俺は精一杯に平然を保とうと、グッと自分の手を握りしめた。


…気…張ってないと…やばいな…



「…………」


俺は俯いて、ららになるべく顔を見られないようにしていた。


…多分…顔赤いし…