…それじゃわかんねぇよな…



「あぁ!!あそこかっっ」



…いや、分かんのかよ…


…なんでだよ…



「お姉さん?…教えてくださってありがとう!今行きますっ」


_プチッ


涼太がそう言った後、すぐに電話の切れる音が鳴った。


…涼太に悪いことしたな…


…あいつ急ぐと危ない…


俺はなんとかもう一度ベンチに座ると、ケータイで涼太に連絡をする。


【事故るなよ、ゆっくりでいいから。涼太ごめんな。】


…送信…



「……ふぅ……」


俺は涼太に連絡をした後、深呼吸をする。


…まじダサいな俺…


…熱に負けるとか…(←熱に勝負はありません)



__ピト…


……?


「蛍くんあついっ…ど、どうしようっ…」


ららは俺のおでこに手をあてると、焦りながらそう言った。



「…わ、私になにかできることありますかっ…?」


ららは眉を下げ、不安そうな顔をしている。



…上目遣い…




……熱上がる…



ららのことだから無意識だろうけど。



「………なにもしなくていい…」



…てゆうか、それより…



「…お前…涼太に会って大丈夫なのかよ…」



…俺以外に不登校のこと知られたくないだろ…


「…一人で帰れるか?」


…一人で帰すのはちょっと気が引けるけど…


…ららにとっては…バレるよりいいのかもしれない…



「…帰りません」