俺はららの頬を、手でスッとなぞる。
「わっ…」
…ららって、いちいちびっくりするよな…
_ピリリリ、ピリリリ、
あ、涼太…
ポケットからケータイを取り出し、画面を見ると、やっぱりそこには思い当たる名前が表示されていた。
涼太の名前を見て、学校に行くという目的を思い出した俺は、咄嗟にベンチから立ち上がった。
_ピッ
「わり、今から行くわ」
俺は電話に出た途端、涼太に遅いと言われる前に、と思いすぐにそう言った。
「あ、そうなの?俺すっごい寂しいんだけど、早く来てね?」
…お前は俺の彼女かよ
そう突っ込んでやろうと思ったけど、さっき走ったせいで、
それを言う気力さえ失われたみたいだ。
しかも気のせいか、涼太の声を聞いて、フッと全身の力が抜けたような気持ちになった。
「…きもい」
俺がそう言うと吹き出したような笑い声が電話越しに聞こえてきた。
「…ふはっ…けーちゃんは相変わらずだね。後さ…さっきからずっと思ってたんだけどさ__」
……あれ…
_フラッ



