「…ぶっ…ははっ…けーちゃん焦ってる!」
え…待てよ…
…らら、
らら迎えに行くっつったのに俺、約束すっぽかした……?
……最悪だ……
「……~~っ…」
俺のバカっ
「涼太、今から行くわ」
俺は電話を片手に、ベットから起き上がる。
「間に合うの?」
…間に合うかどうかっていうか…
「…約束…破るわけにいかねぇだろ…」
…あいつなんか昨日…いい返事してたし…
毎日迎えに行くって決めたのに。
「へ?約束?……てゆうかさ…けーちゃんなんか鼻声?」
…あいつ寝てないかな…
「ん?なんか言った?」
焦りと、制服に着替えるために、ケータイを少し遠くに置いていたせいか、
涼太の声があまりうまく聞き取れなかった。
「や、なんかしんどそうだなって思ったんだけど」
「眠いだけだろ」
俺は適当にそう返事をすると、ケータイを手に取った。
「涼太ごめん切っていいか?急ぐから」
「…あぁ…うん」
…?
なんか涼太…元気ない?
_プツン
あ、切れた
…あいつの好きなジュースでも買ってくか
俺はケータイをポケットに直すと、カバンを持ってららの家に向かった。
高校になってから寝坊とか初だわ…
「………」
てゆうか俺、あいつの連絡先しらねぇ…
…ほんと俺…何やってんだよ…
あいつと出会ってからつくづく、自分が無力なことに腹が立つ。
ららを学校に行かせてやりたい、
そう思いながらも、まだ門の前までしか来られたことがないし、
約束も守れねぇとか…
「……っ…」
俺は走り出す。
なんだか重い足を必死に動かして走り続けた。



