_ビクッッ


こ、こっちに来る?!


蛍くんが勢いよくこっちを振り返る。



「先に外でとけ、すぐ行くから」



「あ…はいっ」


私は急いで靴をはいて、外に出る。



_ガチャッ


「………」


_バタン



…蛍くん…大丈夫かな?



私がしばらく蛍くんを待っていると、ガチャッとドアが開いた。


「……あ…」


「…行くぞ」



「あの、わたしっ…一人で帰れます!」



家にまでおいてもらって、これ以上迷惑をかけるわけにはいかないです。


私は蛍くんにそういうと、ペコッと頭を下げる。


「ほんとにありがとうございましたっ」



「……別に」


蛍くんはいつものように不機嫌そうにそう言った。



私はもう一度ペコッとおじぎをすると、自分の家に向かって歩き出す。


「らら」


…?


名前を呼ばれ、私はもう一度、蛍くんの方へ振り返る。


「…はい!」




「明日も迎えに行くから待ってろ」



「………」



学校なんて大嫌い…


…学校なんて行きたくない…



そう思うのに…



明日も蛍くんが一緒だと思うと、



なんだか、学校に行けそうな気持ちになりました…




「はいっ」