……嘘?


どうしてそんなこと、


…聞くんですか?



「…余計な心配すんな…じゃ、いってくるから」


「…そっか…いってらっしゃい」


…なんだか…


……私の知らない蛍くん


_タッタッタッ


でも、階段をのぼる蛍くんの足音は、私が毎朝聞く音だ。


…さっきの会話…なんだったんだろう?


_ガチャッ


…もう布団から出ていいのかな?



「らら、帰るぞ」


小声で私の名前を呼ぶ蛍くん。


「あ、はい!」


私は布団からバッと出ると、急いでカバンを持つ。


…バレないようにそーっと…


私はドアノブに触れ、音がならないようにと、慎重にドアを開ける。



「ストップ」


「…ひゃっ…っ…」


私は慌てて口を手でムグッと抑えた。


蛍くんは私の耳元に口を寄せる。



「…足音立てんなよ…」



「~~っ」


甘くて、低い声…



耳がゾワッてするので止めてください~~



私は内心泣きながらも、そっとドアを開ける。


…階段…

…とても難関です…



「俺、先行く」


私はコクコクと頷く。


_ドキドキ…


…な、なんだかスパイみたい…


「…ふふっ……」


私はなんだか面白くなってしまって、クスッと笑ってしまう。



「蛍~、涼太くんのとこいつ行くの~?」