「けーちゃんはだいたいいつもあんなかんじだもん」
た、確かに!!
言われてみれば私が敏感になっていただけで、蛍くんはいつも通りだったのかも…
「それに寝不足だったからボーッとしてただけ」
「だから怒ってないよ」
な…なんだぁ…
「あ、でも、」
涼太くんが私の耳に口を近づけて、こそっと教えてくれた。
「……ららちゃんが咲に気に入られてからは、本当に不機嫌だったけど」
「…嫉妬してたのかもね」
し、嫉妬?!
蛍くんが…嫉妬……
「はわぁぁ……」
「おい涼太、ららに何言ったんだよ」
蛍くんが嫉妬…
「なんかキラキラした目でこっち見てっけど」
「えー?俺しらなーい」
「はぁ?」
蛍くんが嫉妬してくれたのも幸せだし、いつものふたりの会話を聞いて、自然と笑顔になれた。
あ、いつものかんじだなぁって、なんだか落ち着く。
_ぎゅ
「わわっ」
「もうすっかり人気者だね」
「凛音ちゃん!」
えへへ、凛音ちゃんにハグされたの初めて
前よりも距離が近づいた気がして、なんだか嬉しい。
「私のことも忘れないでよ?」
「私の数少ない友達なんだから~」
そう言って無邪気に笑う凛音ちゃん。
い、いま…
友達って言ってくれた…?
うぅ~~っ
「忘れたりなんかしませんっ」
「大好きです~~」
むぎゅ~と、今度は私から凛音ちゃんを抱きしめた。



