未輝ちゃんは、ヘラッと困ったように笑った。
さくさんのことを話す未輝ちゃんは、どこかいつもの雰囲気と違う。
柔らかくて、その瞳には熱がこもっている気がする。
……これは…恋…
もしかして、
「未輝ちゃんって…さくさんのこと…」
好きなんですか?
そう聞こうとしたとき、遠くから聞こえてきた、さくさんの声で遮られてしまった。
「ふたりもはやく戻った方がいいよ~~」
そう言われて周りを見渡すと、グラウンドにはもうほとんど誰もいない。
へっ?!
「やばいよっ、休み時間終わっちゃうっ」
未輝ちゃんはそう言うと、ダーッと走って行ってしまう。
私も後に続こうと全力で走るけど、やっぱりとても遅くて自分でもびっくりしてしまった。
それに未輝ちゃん速いっ
私がついてきていないことに気がついた未輝ちゃんが、ハッとしたようにこっちに戻ってきて、
なぜか、ふわりとお姫様だっこをされた。
「えぇっ?!未輝ちゃん?!」
お姫様だっこできてる未輝ちゃんもすごいし、お姫様だっこされてる私は恥ずかしい。
「ひゃっふーっ」
…た、楽しそう…
はしゃいでいる未輝ちゃんが可愛くて、思わずふっと笑ってしまった。
学校でクラスメイトとこんなふうに、はしゃいだり、スポーツをして汗をかいたり、
こんなに私、幸せでいいのかな。
でももっと、もっとって欲張りになる。
これからもっと楽しいことがしたい。
たくさん話がしたい。
こんなふうに、一緒に笑いたい。
不登校だったから知ることができた。
学校にいられることの…小さな喜び



