「…いい汗だね、絵になる」
?!
透き通るような声が聞こえて振り向くと、そこにはあの時のミステリアスな男の子がいた。
い、いつから?!
気配を全く感じなかったから、全然気がつかなかった。
「あ、咲(さく)」
「いつから見てたの?」
未輝ちゃんは特に驚いた様子もなく、面白そうに笑っている。
…さくって名前なんだ…
未輝ちゃんと友達なのかな?
「んー、いつからだっけ」
「そんなことよりさ、」
「俺やっぱりタイプだな」
?!
未輝ちゃんに向けられていた視線が、突然私に向けられて、ビクッとしてしまう。
こっち見てる?!
さくさんの揺れる白色の髪が、もっと彼の魅力を引き出している気がした。
そのミステリアスな雰囲気に、ドキッと心臓が大きく鳴る。
な、なにされるの私…
「ねぇ、」
「俺の絵のモデルになって」
…………え
絵の…モデル?
それだけ言うと、さくさんはスタスタと歩いていってしまった。
な…なんだったんだろう…
「突然そんなこと言われてもびっくりするよね」
ふたりっきりになると、未輝ちゃんは困ったようにそう言って眉を下げた。
「咲は美術部なんだぁ」
「モデルになってほしいって思った子にはとことんしつこいんだよ」
「きっと、今描きたいイメージと桜田さんがマッチしたんじゃないかな」
…そうだったんだ…
「嫌なら断りなよ?こう、ガツンと言ってやりな」



