「……え…」
「そんなに全部が全部、深く考えないでいいんじゃないかな」
「君が疲れちゃうよ」
未輝ちゃんは私の頬を指でツンッとつついて、笑った。
未輝ちゃんはいつ見ても楽しそう。
少ししかまだ一緒にいないけど、未輝ちゃんといる人は、きっと明るい気持ちになれると思う。
「そうですね…私は考えすぎなのかもしれません…」
いつも考えてるだけで、思ってるだけで、
何もできない。何もしない。
蛍くんにちゃんと謝らないといけないって分かってるのに、まだ謝れずにいる。
「…私は…今を楽しむの」
未輝ちゃんのその言葉が、私の胸にスッと入ってきた。
「こうやって、桜田さんと二人で練習できてることが嬉しい、楽しい!」
「どうせ後悔なんて、したくなくてもするんだから、」
「だったら今を、楽しむ方がいいんじゃん?」
未輝ちゃんはそう言って無邪気に笑った。
「考えることは悪いことじゃない」
「だけど、もっと今を楽しんでっ!」
…今を楽しむ
心の中でそう呟くと、少し前向きになれたような気がした。
そういえば私はずっと何かを深く考えていて、自分でかってにネガティブになったり、きっとしていたんだと思う。
自分で気づかないうちに。
「桜田さん」



