不登校恋愛



「転校生きたってまじ?」


「どんな子~?」



えぇっ


私、転校生じゃない…



転校生だと勘違いした他のクラスの人まで集まってきてしまって、もうよく分からない状態に。



「ね、彼氏とかいるの?」



_ピクッ



たくさんの質問の中からその言葉が耳にスッと入ってきた。



言ったのは近くの机に座っていたどこかミステリアスな雰囲気をまとった男の子。



その人の瞳を見つめていると、なんだか吸い込まれてしまいそう。




「俺、桜田さんタイプだな」



ぇ、



そう言って私に近づいてくる男の子。



あ、あぇ、



私には……




男の子に触れられそうになったとき、誰かが間に入ってきた。




綺麗な黒髪が目の前で揺れて、




「…もうそろそろ、チャイム鳴るよ」



どこかおっかないニッコリとした笑顔で私の彼氏はそう言った。



話し方もいつもと違う…



やっぱり蛍くん、皆の前だとニコニコの王子になっちゃうんだ…




「もうそんな時間かぁ…」


「あ、バトミントン部の入部届け、後で渡すね!」



皆は私にいろんな声かけをしてくれて、その後、それぞれ自分の席に戻っていった。




私も自分の席につくと、ちょうどその頃、眠夜先生が教室に入ってきた。



「おはよーう」



胸に手をあてて深呼吸をひとつ。



……び、びっくりした…



ミステリアスな雰囲気をはなっていたイケメンの男の子は、名前もまだ分からない。




それに、見渡しても教室にいないから、きっと他のクラスの人なんだろう。




どうして私のことなんか…




疑問が浮かんだけど、涼太くんが私の顔をのぞきこんで、「大丈夫?」って言って笑ってくれたから、


少しだけホッとした。



やっぱり二人のそばにいるとホッとする。



「…大丈夫です」



自然とはにかんでそう返事をすると、涼太くんは安心したように前に向き直った。




隣で頬杖をついてぼーっとしている蛍くんとは、目が合うことはなかった。