わわっ
突然ぐいっと顔を寄せられて、びっくりしてしまった。
そんなことを全く気にしていないかのように、身長が高くてショートカットの女の子は顔の前で手を合わせた。
「お願い~!バトミントン部入って~~!」
え、えぇっっ
「わ、私がですかっ?!」
運動音痴で、走ると歩いてるの?って言われる私がですか?!
「人数足りなくてこのままだとやばいのよ~~!」
そう言って私の肩をつかんで、お願い!と必死な女の子。
周りにいるクラスメイトが、ケラケラと笑っている。
「こら、ミキ!その子困ってるでしょ~」
「お前誰にでもさそうのな!笑」
そんなに人が足りないんだ…
「もうすぐ大会があるの、それまででいいから!」
大会まで…
こんな私でも役に立てるのなら……
「あ、あのっ、私がもし入部したとしても迷惑をかけてしまうかもしれません!」
「走っても歩いているのと同じスピードなのでっっ」
ミキさんの一生懸命にこたえようと、必死に大きな声でそう言うと、一瞬だけシーンと教室が静かになった。
……うぅ…
「あははっ」
「なにそれー!笑」
シーンとした後に響いたのは、悪口やバカにしたような笑い声でもなく、
クラスメイトの楽しそうな笑い声だった。



