蛍くんからの電話……切っちゃった!!



しかも私…



“『蛍くんのバカ!アホ!』”



“『どんかーーんっ』”




すっごい失礼なこと言ってる!!



つ、つい焦って…



蛍くんがかっこよくて、かっこいいからぁ~~~



だって、キュンメーターが壊れちゃいそうだったんです。



「………」



もう一回電話…?



…で、でもなんて言えば…



「………」



ケータイを握りしめたまま、カクッとうつむいた。



……どうしよう…



「こんなの……初めてです…」



ちゃんと謝らなきゃ…


謝らなきゃ…



通話ボタンをおそうとしても、あと少しのところで躊躇(ちゅうちょ)してしまう。




…蛍くんに……嫌われちゃったかな…




結局電話をかけることができず、朝を迎えた。



__♪



朝になるとアラームの音が部屋に鳴り響く。



いつもなら寝ぼけながら手探りで止めるけど、今日はしっかり7時という文字がはっきり見える。



私は静かにアラームを止めた。




「…全然…眠れなかった……」



うへ~…



蛍くん怒ってないかな…とかいろんなこと考えてたら余計に眠れなくなって、



なにも考えないようにしようって思えば思うほど考えてしまって…




半泣きになりながらも、ゆっくりと立ち上がって服を着替え始める。



どんな顔で蛍くんに会えば……



あ!



「…もしかしたら…迎えに来てくれないんじゃ…」



頭の中に怒っている蛍くんが浮かぶ。



__『俺のこと鈍感なんて言うやつとは会いたくねぇ』



……うぁ~~~



勝手に妄想して自分でダメージをあたえてしまった。