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蛍くんとバイバイしてから、自分の家の前に立つと、胸に手を置いて深呼吸をした。



……うまく、伝えられるかな




つい癖で俯いてしまうと、蛍くんの言葉がふと頭に浮かんだ。



_『……気持ち…ちゃんとぶつけてこい』




……私また…下向いてた



今ここに蛍くんはいないのに、蛍くんがくれた言葉が、私の背中をおしてくれる。



……本当に…助けられてばかりです…



肩の力が抜けて、いつものようにドアを開けて家に入った。




家にはいるとすぐにお母さんがリビングから出てきて、



「おかえり」と言って、優しく笑ってくれる。



私はそんなお母さんが大好き。



その笑顔が…大好き




「…お母さん…」



くつを脱いでリビングにあがってから言えばいいのに、



お母さんの顔を見たら、何も言わずにはいられなかった。



いつもと様子が違う私にお母さんは目を丸くしている。



「…?はやくおいで、お腹すいたでしょ?」




「今日のご飯は、ハンバーグよ」



そう言って無邪気に笑うお母さん。



ハンバーグ好きでしょ?って、嬉しい?って、そう言っているかのように笑うから、



いつもそうやって笑うから、



どれだけ公園で落ち込んでたって、学校へいけなくたって、



……元気になれたんだよ…




「……わたし…嘘…ついてたの…」