ららちゃんを幸せにするのは俺じゃなかったけど、
けーちゃんならきっと、ららちゃんをたくさん笑顔にしてくれる。
この先、きっと俺よりららちゃんの方がけーちゃんを知って、
けーちゃんの1番の理解者が俺じゃなくなっても、
これからも、ずっと…
二人の幸せを願ってるよ。
俺の瞳を真っ直ぐ見つめたまま、けーちゃんの頬に一粒の涙が流れていった。
そして下手くそに笑って、言ったんだ。
「……ありがとう…」
ありがとうってその一言が、口下手なけーちゃんから俺への、最高なプレゼント。
それからは、体育館の壁に背をつけて、ふたりで空を眺めた。
母さんや、けーちゃんもららちゃんも、みんな俺のそばから、いつかはいなくなると思っていた。
でも全然そんなことなくて、そう思っていたのは俺だけ。
この前きた、母さんからのメールを思い出して、ふっと笑った。
_“この前、もう会えないなんてメールしてごめんね。夫婦喧嘩をして、カーッとなってつい涼太にあんなこと…
パパと仲直りして、涼太にもちゃんと謝らないとって思って…
本当にごめんなさい。
あっ、また今度、会いに行くね!”
…そんなこと言って、いつも会いにこないくせに
そう思ったけど、今回こそは来るって信じてみようかな。
それにもし、また来なかったとしても、
俺が母さんたちに会いに行こう。
「…なんで笑ってんの?」
けーちゃんが不思議そうに俺を横目で見てる。
俺はイタズラに笑うと、けーちゃんの頬に残っていた涙を手で拭った。



