そんな会話をしているうちに、体育館の中が見えて、
それにグラウンドから藤村に見られることがない場所に到着した。
ふたりで顔を見合わせてから、そっと体育館の中を覗く。
すぐに見つけた、俺のかわいい彼女。
「………なんだ、」
体育をしている彼女は、
「……楽しそうじゃねぇか」
とても嬉しそうに笑っていた。
嬉しそうにボールをなげて、メガネの女子と楽しそうに会話してる。
自然と頬が緩んだ。
…パスは全然うまくねぇけど
ボールが右にいったり左にいったり、いつか壁に穴が開きそう。
無邪気に転がったボールを追いかけて、ヘラッて照れたように笑うのも可愛い。
……あぁ、俺、間違ってなかったんだな
ららを学校に行かせてやりたいって、毎日悩んだ日々が頭に浮かぶ。
何度もららが過呼吸になって、それなのに俺、無理やり連れてく他に方法わかんなくて、
いっぱい傷つけたよな、ごめんな。
やっと夢が叶った。
……叶ったんだよな
だって、ららが学校で笑ってる。
あんなに泣いてたのに。
こんなん見たらさ、俺、
「……あー…」
ぼやけた視界を隠すように、体育館の壁に背をつけた。
俺の頭にポンッと涼太の優しい手が触れる。
いつものように、止めろって涼太の手をふりはらうことができなかった。
「……やめろよ」
それでもやっぱり何か言ってやりたくて、小さな声で呟いた俺を見て、
涼太は優しく笑った。



