お弁当のふたを開けると、美味しそうな匂いがして頬が緩んだ。
…いつも、公園で食べていたお弁当
それを思い出して、ふっとはにかんだ。
「……ありがとう」
ありがとう、お母さん。
ごめんね、嘘ついて。
今まで嘘ついてごめんなさい。
お母さんが作ってくれたお弁当がだんだんぼやけてくる。
それ以上、溢れ出してしまわないように、私は大きな口を開けて、パクッとおかずを口に運んだ。
「……んふふ」
うん、お母さんのお弁当はどこで食べても美味しい。
「美味しそうに食うよな」
私を見ていた蛍くんが、微笑みながらそう言った。
私はもぐもぐ口を動かしながら、ふっとはにかんだ。
それからはご飯を食べながらたくさん話をした。
この学校で1番怖いのは、生徒指導の河原(かはら)先生で、
私たちの担任の眠夜先生は、生徒に大人気だってこと。
でもちょっぴり変人らしい。
私はそれを聞いてクスッと笑ってしまった。
あと眠夜先生は、皆に眠ちゃんって言われてるんだって。
「可愛いですね」
私もそう呼んでみたいな…
でも突然言ったらきっとびっくりされちゃいますよね。
眠夜先生が驚いているところを想像して、また笑った。
いつか私も呼んでみたいな。
いつかそう呼べるくらい仲良くなって、
いだすらして怒られたり、
そんなこともしてみたい。



