涼太くんの背中が見えなくなるまで見つめた後、私はゆっくりと蛍くんの隣に座った。
それにしても、ここはとても静かだ。
遠くから、誰かの笑い声やはしゃぐ声が聞こえる。
「…ここは、蛍くんたちの秘密の場所ですか?」
なんとなくそう思った。
だってここはすごく落ち着くから。
皆でいるのもすごくドキドキするけど、ずっとドキドキしているのは、きっと疲れてしまう。
「…そう」
「いいだろ、ここ」
蛍くんはそう言って、横目で私を見た。
「…はい、とても」
私は自然と笑顔になる。
すぐに涼太くんがお弁当を戻ってきてくれて、蛍くんとのふたりっきりでの会話はそれだけだったけど、
嬉しくて頬が緩んだ。
「ごめん、かばんごと持ってきちゃった」
そう言って眉を下げる涼太くん。
私は慌ててかばんを受け取り、首をぶんぶんと横に振った。
「謝らないでくださいっ…私の方こそ持ってきていただいて、すみません」
私がそう言うと、涼太くんはヘラッとした笑顔で安心したように笑った。
「ありがとうございますっ」
私はペコリと頭を下げる。
「いいえ」
3人で空き教室に座ると、皆で一緒に手を合わせた。
「「「いただきます」」」



