不登校恋愛



そんな蛍くんの照れた顔が好き。



なんだか可愛くて、ぎゅっと抱きしめたくなる。



こんな気持ち、



蛍くんが初めてです。




お昼休みを知らせるチャイムが鳴ったとたん、蛍くんにひょいっと抱っこ…というか、かつがれた。




「………ふぇ」




驚きすぎて何も言えないまま、びゅんっという自分が走っても感じることのできない風を感じていた。




「定食ください!」



わわっ



急に立ち止まった涼太くんと蛍くんが足を止めたのは、美味しそうな匂いがする場所。



「……わぁ…」



…ここは……食堂…?




かつがれたままだけど、初めて見る食堂に感動した。



……美味しそうな匂いがたくさん…




まだ誰もいない食堂は、とても広く感じる。



「今日も1番だね」



定食であろうものを蛍くんたちに渡しながら女の人がそう言った。



…今日も…




「あ、後、玉子丼ください」



玉子丼。



美味しそうな名前…



蛍くんにかつがれたまま、ぼーっとそんなことを考える。



「はいよ~、今日はたくさん食べるね~」




「いや、こいつのです」



蛍くんの大きな手が私の頭の上にポンッとのった。




……え?




「あら、こんにちは~、どうしてかつがれてるのかしら?」



私を見るなり、女の人は面白そうに笑いながらそう言った。




「……こんにちわ…」



小さな声で挨拶だけすると、蛍くんが私の代わりにお礼を言って、食堂から出た。




…なんでかつがれてるのかは、私にも分からないんです




どうして私、運ばれているのでしょうか?