目をパチパチまばたきをしても、やっぱり蛍くんはずっとニコニコしている。
無理に作ったその笑顔は、私に見せるドSの笑顔とは少し違うのかもしれない。
ニコニコスマイルじゃなくて…
うーん
……うまく言えない
私だけじゃなくて、他の女の子にもドSなのかなって思ってたけど、どうやら違うみたい。
……あれ?
じゃぁ結局どうして私にだけドSなんでしょうか…?
_キーンコーンカーンコーン…
チャイムが鳴ると、蛍くんと涼太くんを囲んでいた人たちは、みんな自分の席に戻っていった。
皆がいなくなると、蛍くんはぷぃっと廊下側へ顔を向けて頬杖をついた。
顔は見えないけど、なんだか疲れているように見える。
そんな蛍くんを見た涼太くんは、ふっと微笑んだ後、蛍くんの頭に手をおいた。
「よしよし」
そしてわしゃわしゃと優しく髪を撫でた。
……わんちゃんみたいに撫でられてる
なんだかだんだん蛍くんが犬に見えてきました。
…うーん、猫?
蛍くんはどちらかと言えば猫っぽい気がします。
「…さわんな」
そう言ってるのに振り払わないのは、きっとそんなに嫌じゃないからなんですよね。
涼太くんもそれが分かってるから、ふにゃりとした笑顔で笑っている。
私はそんな二人を見て、いつの間にか微笑んでいた。



