わたし……
「ふたりがとっても大好きです」
こんなに素敵な人に出会えるなんて思ってもみなかった。
公園でベンチに座って、ただ時間が過ぎるのを待っていたあの頃の私がいるから、
……ふたりに出会えたんですね
「…大好きです」
何度言っても足りないくらい、大好き。
2回目の大好きはもっと気持ちを込めて言った。
「先生~~、あそこで永瀬と岸と…なんか知らん人がサボってる」
?!?!
教室の中から、かすかにそんな声が聞こえてきた。
パッと教室の中をドア越しに見てみると、皆が不思議そうにこちらをじっと見つめているのが見えた。
「…へっ…あっ…」
たくさんの目がこちらに向いている。
…は、入らなきゃ
思わずドアに触れた私を見て、ふたりは力強く頷いてくれた。
ドアに触れている私の手は、やっぱり震えていた。
蛍くん。
私が、学校に行って皆と笑いたいって言ったとき、
蛍くん言ってくれましたよね。
“ 『できるよ』 ”って
嬉しかったです。
……とっても、とっても…
__私を信じてくれる人がいる
だから、大丈夫。
私がドアを開けようと力を込めたとき、そっと背中になにかが触れた。
それはふたりの優しい手。
いつも私を学校へ連れていってくれた蛍くんの手。
ポカポカと温かい、優しい涼太くんの手。
こんな情けない私の背中を押してくれる、ふたりの手。
このドアの向こうに、辛いことが待っていたとしても、泣いてしまっても、
また深呼吸をして前に進む。
大丈夫……私はもう一人じゃない
_ガラッ
勢いよくドアを開けると、状況が理解できないという皆の瞳が、私をじっと見つめていた。



