不登校恋愛



「…あれ?どしたの?」


それに気がついた涼太くんが不思議そうに戻ってくると、


身長の高い涼太くんでも見えるように今度は高い位置で私は手を差し出した。



「……」


涼太くんは目を丸くして、私と蛍くんを交互に見つめている。



「……涼太くんも、繋ぎませんか」



涼太くんが少し不安そうに蛍くんを見つめると、


蛍くんは、ふっと柔らかい笑顔で笑った。



「なんだその不安そうな顔、ほら、はやく手繋いで行くぞ」



蛍くんがそう言うと、涼太くんは眉を下げて笑った。



そして私の手にそっと触れる涼太くんを、次は私がしっかり繋いだ。



「よぉーしっ、出発です!」



珍しくテンションが上がった私は、大きな声で涼太くんの真似をしてみる。



そしたら勇気3倍な気がして。



また歩き始めた私たちは、周りから見たらきっと変な人達かもしれない。



「なんか、保育園の先生とその子供みたいだな」



蛍くんがそんなことを言うから、また笑ってしまった。



「はーい、皆ちゃんと右、左、確認するんだよ~」



涼太くんは保育園の先生になりきって、高い声で言った。


…ふふっ



周りの人がたまに、ちらちらこっちを見てたけど、楽しくてあまり気にならなかった。



いつもなら、人の視線ばかり気にしてる私も、今は普通の高校生になれたような気持ちになった。