_このまま置いていかれちゃう
「らら」
優しい声で私を呼んだのは、蛍くんだとすぐに分かった。
俯いていた顔を上げると、二人は後ろを振り返って私を見つめていた。
「大丈夫」
……大丈夫
「…ほんと…ですか?」
とても情けない顔だったと思う。
不安だらけで、怖くて、ついそう聞いてしまった。
そう言った声も震えていて、自分が本当に情けなくなる。
それでも二人は、私をバカにしたりしなかった。
見守ってくれているような、そんな優しい表情で私を見つめている。
「今日は涼太も増えて、3人だろ」
「…だからなんか、うん、」
「勇気も3倍ってことだろ」
蛍くんが後ろ髪をわしゃわしゃしながら、少し照れたようにそう言ってくれた。
……蛍くん…照れてる…
…かわいい
「ぶふっ」
私の頬がへにゃりと緩んだとき、涼太くんが我慢できなくなったかのように吹き出した。