無意識に呟いていたことに気がついて、ハッと口をおさえた。
そ、そんなこと言われても困りますよねっ
つい口癖で「すみません」と言いかけたとき、涼太くんの声が先に耳に届いた。
それはとても優しい声だった。
「ららちゃんの笑顔は、みんなを笑顔にする」
…私の笑顔が…
涼太くんの方へ視線を向けると、柔らかい笑顔でへにゃりと笑ってくれた。
「みんな、ららちゃんが大好きだよ」
心がポカポカと、優しさで包まれていくような気がした。
“『うわっっ、まじ最悪っ…あんなのと隣とか、まじ終わったわ~、俺、休むわっ』”
あの頃から、私の存在が誰かを嫌な気持ちにしているのだと思っていた。
私はいつも人に迷惑をかけてばかりで、優柔不断で、何をするにも他の人より遅い。
そんな私のために、わざわざお家まで来てくれて…
何回、この二人に感謝を伝えても伝えきれないです。
私も、
「私も大好きです」
私を大好きだと言ってくれる人に出会えて、とっても幸せです。
ずっと友達のいなかった私には、それがどれほど幸せなことなのか分かります。
蛍くんもお母さんも、私たちを見て優しく微笑んでいた。



