3人でテーブルを囲むと、まるで家族みたいでなんだか笑ってしまった。
「「「いただきます」」」
みんな一緒に朝ごはんを食べ始めると、涼太くんが「うんまーっ」と満面の笑顔で言った。
お母さんが味つけして焼いてくれた目玉焼きと、ベーコンがパンの上にのっていて、私も大好きな朝ごはんだ。
「…おいしいです」
蛍くんも美味しそうにモグモグしていて、嬉しそう。
みんなのキラキラした笑顔を見て、お母さんはふっと優しく笑った。
「そんなに豪華なものじゃないけど、喜んでくれてよかったわ」
「しっかり朝ごはんを食べないと元気でないのよ、これから学校なんだから」
……学校
お母さんのその言葉に、私の手がピタリと止まった。
朝は時間が速い気がする。
どんどんと近づいてくる登校時間が、私の胸をしめつけるようにぎゅっと苦しめる。
…ちゃんと行かなきゃ、行かなきゃ
怖くても、怖くても、ちゃんと行かなきゃ
そう思えば思うほど、どんどん不安になって心が痛い。
……苦しい
「おれっ、ららちゃんママの朝ごはん食べたら、今日の体育いつもの倍がんばれます!!」
私がうつむいたとき、涼太くんのそんな明るい声が耳に届いてきて、
思わず顔を上げた。
その笑顔は眩しくて、誰もがきっとつられて微笑んでしまうんだろうな。
「ふふっ、ありがとう」
お母さんは照れたように笑った。
…涼太くんはとっても素直ですね
「……私も涼太くんみたいに、みんなを笑顔にしたいなぁ」



