そうやって、いつものようにつまらない言い合いをして、笑う。
今はそれが、いつもより特別なものに思えた。
「けーちゃんはいつも漫画の中のヒーローみたいに、かっこいいセリフ言うんだよなぁ」
顔を見なくても、そう言ってはにかむ涼太が頭に浮かぶ。
「なんだそれ」
俺が笑いを含んだ声でそう言うと、涼太の小さな子供のような笑い声も耳に届いた。
空はどこまでも青く晴れ渡っている。
涼太の苦しい何かが解決したわけじゃない。
ただ話をして、つまらないことで笑って、
でもそれでいい。
涼太が少しでも心から笑えたなら_
「涼太、また明日な」
「…うんっ、また明日!」
通話終了のボタンをおして、ケータイの画面をプツリと消した。
…さて、
「明日は3人で登校だな」



