「「………」」


…沈黙


シーンとしたリビングには、不思議な空気が流れている気がする。



そんなことを思っていると、


けーちゃんが袋をガサッと机の上に置いて、不機嫌そうに言った。



「…バナナ」



「ぶふぉぉっ」



「ちょっ、涼太くん大丈夫?!」



熱かった?と言って焦る光流さんの隣で、まだムスッとした顔のけーちゃん。



……真顔でバナナ言うなっ



バナナがなんなのかちゃんと言いなさいっ


「…すみません」


…このままだと俺、後何回ココアをふき出すんだろう



見ていられなくなり、俺が何かフォローしようと口を開けた時、先にけーちゃんの声が部屋に響いた。



「…と、母さんの好きなプリン」



「……さっきは悪かった…ごめん」



今度はちゃんと、光流さんの目を見て謝ったけーちゃん。


…えらい



申し訳なさそうにしているけーちゃん。


…可愛いな~



可愛いって、けーちゃんに言ったら怒るだろうな。


俺は心の中でふっと笑った。