そんなことちゃんと分かってるはずで、大丈夫なはずなのに、
どうしてこんなにも俺の心に響いたのかは、俺にも分からない。
……俺の気持ちを大切に…
「…はい」
光流さんは、優しい笑顔で笑っていた。
まるで俺のことを、暖かく見守ってくれているようだった。
_ガチャッ
あ、けーちゃん帰ってきた
…ふたりは…
俺は光流さんの瞳を確かめるように見つめる。
「………」
…もう大丈夫かな
「……ただいま」
しばらくするとリビングのドアが開いて、けーちゃんが手に袋を持って帰ってきた。
けーちゃんは光流さんの方を見ようとはせず、どこか気まづそうにしている。
「…おかえりっ」
明るい声でそう言ったけど、光流さんもやっぱりどこかぎこちない。
…お互い謝りたいって顔してる
心の中で苦笑いをしてから、俺はまたココアをグイッと口へ運んだ。



