昨日はららの誕生日を祝って、
もうすっかり空が暗くなった頃、俺と涼太は家へ帰ることにした。
『……もう真っ暗だね』
そう言って空を見上げる涼太は、すごく切ない表情をしていた。
……なんかあった?
俺がそう声をかけようとしたとき、涼太は明るい声で言った。
『夜は寒いね』
『人もいないし…あそこの電柱まで勝負しようよ』
涼太はニッと笑う。
その笑顔は、さっき切ない表情をしていたことが嘘のように、無邪気だった。
『…おう』
俺も、涼太の笑顔につられて笑っていた。
涼太は俺が笑ったのを確認して、安心するようにふっと目を細めた。
まるで、“よかった、ちゃんと笑ってる”って確認されてるみたいに。
『じゃぁ、よーい…スタートっ』
結局その後、なにも聞かないまま家へ帰った。
……まさか夢に出てくるとは思わなかった
起きたとき、現実か夢か分からないくらいリアルな夢だった。