__残酷だと、思った
何も考えられないくらい、衝撃的で、
何も言葉が見つからない。
足を止めた俺の方を振り返って、涼太は言った。
「…ごめんね…困らせたね」
「でも俺は、“好きだった”…過去だから」
やっと少し気持ちが追いついてきた頃、俺はフッと肩の力を抜いた。
「…ふたりが両想いって知ってた…」
「だから…ふたりが恋人になって安心した」
「応援してたから、ずっと…」
「…いちばん近くで…」
その言葉は、俺の心の奥までドッと響いた。
どんなときも、俺の側にいてくれたのは、
涼太だった。
好きな人の好きな人が分かってて、それが自分じゃないのに応援し続けるって…
…今までどれほど、
「…聞いてくれてありがとう、もう行こっか!」
…どれほど…苦しかったか…
結ばれた俺は、きっと分かってあげられない。
なにしてんだよ俺
なにか言えよ
なんで…
「………」
何も言葉が、見つからない__。
_ピピピ、ピピピ
「~~っっ…」
……ゆ…め…?
どこからどう見ても、ここは俺の部屋。
時計は、朝の7時を指している。
……どんな夢、見てんだよ…
起きてから数分、やっと頭が働くと、昨日のことを思い出した。