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「楽しかったね」


お母さんが、嬉しそうに笑ってそう言った。



「うんっ…とっても!」



お誕生日会も終わって、涼太くんと蛍くんも、お家に帰っていった。



今は私とお母さんの、ふたりきり。



窓の外はすっかり暗くなっていて、夜道を歩くふたりが心配になる。



「…ねぇお母さん…ふたり大丈夫かなぁ」


するとお母さんも、同じことを考えていたのか眉を下げて言った。



「そうね…家についたら連絡してもらいなさい」


「お母さんも、あの子達がちゃんと家に着いたか心配だから」



お母さんは窓の外に視線を向けて、少し不安そうにそう言った。



「うん、そうだね」


私は、後で蛍くんに連絡をしてもらえるよう、お願いすることにした。



…今日は本当に楽しかったなぁ…



「…うちに泊まっていけばよかったのに」



気がつけば、そんな言葉を口にしていた。



「ふふっ…大好きなのね、ふたりのこと」


お母さんはそう言って、優しく微笑んだ。



「…うんっ、大好き!」