「てゆうか俺の方がいつも、」



「…ららに笑顔にしてもらってます」



そう言いながら、俺はららに視線を向けた。



ららは驚いた顔をした後、ふにゃっとした笑顔で笑った。


_きゅんっ



いや、きゅんっ…て、俺は乙女かっつーの



…あれ…待てよ…



これ今、すげーいい雰囲気だけど、この後どんな顔すればいいんだ…



俺…すげー照れくさいこと言ってたような…



“…ららを、”


“たくさん笑顔にします”




うん…普通に言ってるわ



しかも、ららの誕生日パーティーまだしてねぇ…



ケーキも食ってない…



待って、俺、



…告白するタイミング間違えた?



「…あの…、まじですいません…」


「…誕生日パーティーの続きを…」



恥ずかしさと、申し訳ない気持ちが交ざって、だんだんと声が小さくなる。




「今日は、ららの初恋&初彼氏&…誕生日パーティーよっ」



……え、


ららのお母さんが突然、大きな声でそう言った。



「誕生日がおまけみたいになってる!?」



涼太が笑いながら、ららのお母さんにツッコミをいれた。



オカンは、こういう小さなことも聞き逃さないことを、俺は知っている。



「ふっ…あははっ…」



ららが、堪えきれなくなったかのように声を出して笑った。



「お母さん、張り切りすぎだよ」



そう言って笑う、ららはとても可愛い。



…いや、めちゃめちゃ可愛い…



抱きしめたいー…



「……抱きしめたいとか思ってんでしょ」



「そうなんだよなー……っ?!」