お母さんのその涙は、私をどれほど愛してくれているか、分かるには充分だった。
隣にいる涼太くんは、幸せそうに、でも少し切なそうに私達を見つめている。
……涼太くん…?
「…幸せになってねっ」
涼太くんは、いつものようにニッと無邪気に笑う。
その笑顔は、さっきの不安を消し去るくらいに、眩しかった。
その涼太くんの笑顔に、いつも元気や勇気をもらいました。
恋人や、好きな人にいう意味とはまた違うけれど、
私は涼太くんが、
…大好きですっ…
お母さん、
いつも私の幸せを願ってくれて、ありがとう。
大好きだよ
私もね、お母さんが幸せだと嬉しいよ
今は、このたった一言が言いたいです。
「…ありがとうっ…」
私はニッと笑うと、二人にそう言った。
蛍くんは、顔を隠すように俯いた後、二人を交互に見つめた。
そして眉を下げ、目を細めて笑った。
「…ららを、」
「たくさん笑顔にします」



