「私なんかが…恋愛を語っていいのか分かりませんが…」
「…恋は少し、苦しいです」
…私は…恋をしている…
「……そう」
蛍くんから返ってきた返事は、たったそれだけだった。
…は、恥ずかしぃ…
シーンとしているせいで、さっき言った言葉が余計に恥ずかしく感じてしまう。
「…あ、あの…」
「どうして蛍くんは、そんなことを聞いたんですか?」
蛍くんならきっと、私より恋を知っているはずなのに。
「恋がなんなのか、俺には分からなかったから」
_カチッ
蛍くんがそう言った後、すぐにドライヤーの音が消えて、シーンと部屋が余計に静かになった。
「………」
……し、静かだ…
それに、蛍くんが恋を知らないなんて…
「そう…なんですか…」
私は、ももこと流星を強くぎゅっとする。
なんだかドキドキする沈黙に耐えられなくなって、思わず後ろに振り向いた。
「あのっ…っ…」
……あ…れ…?
何かいいかけた言葉は、蛍くんによってふさがれてしまった。
何を言おうとしていたかも忘れるくらい、甘くて…
「……蛍くん…どうして…」
……ファーストキス
今まで何度も蛍くんにキスされたことはあったけど、それは頬や首で、
口にされたのは初めてだった。
いつもとは違う、
甘くて、でもそれと同じくらい苦いようなキス。
「…どんなときも一生懸命なららが、」
「大好きだよ」
私の目には、いつのまにか涙がたくさん溜まっていて、
でもそんなことどうでもよくなるくらい、蛍くんが真っ直ぐ見つめるから_
「…俺はららに、恋してる」



