「………」
シーンとした部屋に、ドライヤーの音だけが響く。
…でも、全然嫌じゃない…
髪の毛を、優しい手でわしゃわしゃされて、なんだか少しドキドキする。
蛍くんといると、ドキドキするけど、居心地がいい。
ふと周りを見渡してみると、可愛い飾り付けがたくさんされてあった。
テーブルには、普段置かれていないお菓子もある。
……これ全部…
これ全部、蛍くんたちがやってくれたんですね…
そう思うと頬が緩んで、さっきよりももっと幸せな気持ちになる。
「…なぁ…らら」
幸せに浸っていると、突然、蛍くんの低い声が聞こえて、思わず振り返ってしまう。
「は、はいっ」
すると蛍くんは、ふっと笑って言った。
「バカ、前向いてろ」
「かわかせねーだろ」と、少し呆れたように言う蛍くんに、きゅんとしてしまう。
「前、向いたままでいいから」
「す、すみません…」
私はまた前を向くと、ももこと流星をぎゅっと抱きしめる。
「なぁ、」
「…好きってなんだと思う?」
「………ふぇ?」
蛍くんが突然そんなことを言うから、とてもまぬけな声が出てしまった。
…蛍くんが私に恋愛相談を?!
私に!!
……まったく経験のない私に…
そうですよ…経験なんてないはずなのに…
「…ドキドキしたり…」
「ずっとその人のことを考えてしまったり…するんじゃないでしょうか…?」
なのにどうして…
私は“好き”を知ってるの?



