え、あ、


「は、はい」



不思議に思いながらも、私はリビングをあとにした。



自分のかばんを持って、一定のリズムで階段を上がる。



あんなに慌ててどうしたんだろう…



なにか大切なもの…なくしちゃったのかな?



「……大丈夫かな」



なんだか心配になって、思わずそう呟いた。



…よし、


さっさとシャワーだけ浴びて、私も探すの手伝おうっ



急いでお風呂に向かって、シャワーをキュッと出す。



ほとんど無心で洗った。



お風呂に入るといろいろ考えちゃって、ぼーっとしていることが多い私にとって、


お風呂は強敵。



…だから今日は何も考えないように、無心…無心…



………今日、お花畑きれーでした…



「……はっ…」


またぼーっとしてた…



無心…無心…



……ふたりの花かんむり姿が可愛かったです…



「……はっ…」



…気がついたらニヤニヤしてる



だ、だめです



考えないようにしようとすればするほど、考えてしまいます…



それくらい楽しかった今日を、私はずっと覚えていたいな。



この心に、大切に、大切に。



「……ふぅー」



なんとかお風呂からあがると、私は服を着て、肩にタオルをかけた。



…まだ蛍くんたちいるかな



そう思いながらドアを開けようとしても、なぜかドアが開かない。



「えっ…なんで?」