「疲れたでしょ、シャワー浴びてきなさい」
お母さんは、優しい笑顔でそう言った。
そして3人で家に入ると、さっき蛍くんが言っていた言葉を思い出した。
_『…ららの家に、俺ら忘れ物したから』
そうだったっ、ふたりとも忘れ物を…
「おふたりとも、忘れ物は見つかりましたか?」
今さらですけど、二人同時に忘れ物って、なんだか可愛いですっ
私は心の中で、ふっと笑う。
「あぁ、忘れ物…んー、えー、どこだっけな」
……ん?
なぜか涼太くんは、おどおどしている。
_ガシャンッ
「あ、やべ…」
蛍くんは、自分の荷物を床に落とした。
「だ、大丈夫ですか?」
ふたりの様子がなんだか変で、私まで慌ててしまう。
一緒に床に落ちたものを拾っていると、涼太くんが言った。
「ららちゃんシャワー浴びておいでよっ、俺たちその間に探しておくから」