「おかえり~……って…」
「喧嘩でもしてきたの?!」
私たちを見るなり、お母さんはとっても驚いた。
…これは確かにびっくりするよね
私たち3人の服には、転んだときについた土がついていて、
涼太くんなんて、葉っぱがついてる。
…うぅ…ごめんなさい…
おふたりに申し訳ない気持ちと、お母さんに怒られるのを覚悟で、
今日の私の行方不明事件を話そうとしたとき、蛍くんが先に口を開いた。
「3人でじゃれあって遊んでたら、こんなんになっちゃいました」
えっ…
私が迷子になって…それで…迷惑かけたのに…
「……」
ポカンとしていたお母さんだったけど、
すぐに耐えきれなくなったとでもいうように、ふっと笑った。
そして、愛しそうに目を細めて言った。
「もー、なにしてるの」
「よっぽど楽しかったのね」
お母さんは、むしろなんだか嬉しそうに見える。