そう言った、ららの横顔は、とても幸せそうだった。


俺たちとの学校生活を、頭の中で想像しているかのように、笑っている。



…今はこんな風に笑うんだな



不登校で、ネガティブで、俺が手を引かないと学校の門の前にも行けなくて、



ららをたくさん泣かせた。



だから、ららの笑顔を見ると、


よかったって、



ちゃんと笑ってるって、



「……っ……」


なにかが溢れそうになるのを、俺は必死に堪える。



_ポンッ


その時、背中に触れた何かが、優しくポンッと背中を押した。



もう、誰なのかは予想がつく。



振り向くと、涼太がニッと笑っていた。


「………」


なんで気づくんだよ、オカン



俺は、ふっと小さく息を吐くと、バーカという意味で、ニッと笑ってやった。



…ぜってー、泣かねぇ



それをごまかすかのように、俺は言った。



「…楽しいに決まってんだろ」




俺がそう言うと、ららは俺の方を向いて、楽しそうに笑った。



横顔で見るよりも、もっと眩しいその笑顔に、ドキッとした。



「まぁ、けーちゃんと俺、よく職員室に呼ばれて怒られるけどね」



涼太がそう言うと、一気に空気は明るくなる。


「ららが加わったら、放課後掃除、らくになる」