優しい涼太のその声に、とても深い愛を感じた。
俺にはその言葉が、たくさんの意味が含まれているように感じたから。
「……あぁ」
「次は__駅、お出口は…」
俺が返事をした数秒後、電車のアナウンスが鳴った。
俺たちが降りる駅。
…もう着いたのか
まぁ、でも…
「…まだ誕生日作戦は終わってねーよな」
俺はやっと、涼太の方へ視線を向けると、ニッと笑ってやった。
「うんっ」
涼太の無邪気な笑顔には負けるけど。
初めて3人で出かけた日。
初めて、ららの手先が器用だと知った日。
初めて花かんむりをもらった日。
初めて写真をとった日。
そして初めて、ららの誕生日を祝う日。
なぁ、らら
お前、自分が誕生日ってこと、
…ぜってー忘れてるだろ?
まぁ…そういうとこも全部、
__好きなんだけど
「…らら、着いた」
声をかけても、ららは気持ち良さそうに眠っている。
「ららちゃん」
涼太も優しく声をかけるけど、やっぱりららは起きない。
……こいつ毎回、全然おきねーな