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「…ららちゃん、寝ちゃったね」
涼太は小さな声でそう言った。
さっきまで、うとうとしていたららは、次に見たときには、もう夢の中だった。
「…遊び疲れたんだろ」
電車の小さな揺れは、確かに心地よくて眠たくなってくる。
窓から見える空は、オレンジがかっていて綺麗だ。
俺はその景色をぼーっと眺めている。
ぼーっとしていると眠たくなって、俺もつい、うとうとしてしまう。
今日はいろんなことがあった
初めて、3人で出かけたよな
……平日以外で、初めてららに会った
ららの私服…
俺はチラッと、ららの方に視線を向ける。
……かわいいな
__いつもと違う今日
ららにとって、大切な思い出になったかな
ららの小さな夢、今日はひとつでも叶えてやれたのかな
「あのさ、けーちゃん」
あれこれ考えていると、
俺の名前を呼ぶ、涼太の透き通った声が耳に届いた。
「…ん」
俺はオレンジ色の夕日を見ながら、なんとなく返事をする。
「今日、めっちゃ楽しかったね」