「…ありがと」
……え?
気のせいだと思ったけど、顔を向けると、やっぱりその声は蛍くんだった。
その証拠に、蛍くんはさっきよりも顔を赤くしている。
…ふっ…かわいぃ
「……はいっ」
ふたりに“ありがとう”と感謝されることが嬉しくて、
思わずなにかが溢れそうになるのを、ぐっと堪えた。
お互いの花かんむりを見せあって話をしているふたりを、
私は微笑ましく思いながら見つめる。
今日もまた、迷惑をかけてしまったけど、
これからもまた、きっと迷惑をかけてしまうけど、
それよりも、もっと“ありがとう”を増やしたいな。
心の中で、小さく願った。
「もう一度、とりませんかっ」
私は今日、笑顔いっぱいの思い出ができました。
ふたりもそうだと、嬉しいです_。



