声には出さないけれど、「やってしまった」という表情をしている涼太くん。
一度それを見てみることにして、3人で顔を寄せて画面を覗く。
少しの沈黙の後、
「「「ふっ…」」」
と、3人同時に思わず笑った。
私は満面の笑顔で、
涼太くんは笑いながら泣いてて、
蛍くんは、そっぽを向いて頬を赤くしている。
その光景が、なんだか面白くてやっぱり笑ってしまう。
「なんか、これはこれでいい写真だよね」
涼太くんが、嬉しそうに笑いながらそう言った。
「そうですねっ」
私も自然と笑顔が溢れる。
「…なぁ、」
さっきからあまり喋らなかった蛍くんが、やっぱり照れながら口を開いた。
「…これ、とっていーか?」
そう言って頭の上にあるものを触った。
私が、ふたりの頭の上にのせた花かんむり。
だ、だめ…また笑っちゃう…
あの写真の光景が面白くて笑っていたけど、私にはもうひとつ笑いのツボがあった。
それはふたりの花かんむり姿が可愛いってこと…
…蛍くんは特に、照れているのが余計に可愛くて…
つい…
「…ふっ…」
あ、また笑っちゃった…
「自分でのせといて…笑ってんじゃねーぞ、こら」
蛍くんはそう言って、頭の上にあった花かんむりを、ようやく手に取った。
さっきまで、照れてもとらなかったのは、きっと蛍くんの優しさ。
私が作ったものだからって、そのままで写真を撮ってくれたのかな…
なんて思うと、また頬が緩む。



