「けーちゃん、ららちゃんがいなくなるたびに泣きそうになってるからね」


「え、」


あまりに衝撃的で、私は固まってしまう。


あの蛍くんが…そ、想像できない…


「りょーた…?」


蛍くんの低い声に、私はビクッと反応してしまう。


こ、これは…


……ニコニコスマイル…


「うゎ、営業スマイル…け、けーちゃん!ほらっ、ららちゃんが怖がってるよ!」


涼太くんがそう言うと、蛍くんはハッとした顔で私の方を向いた。


…へ?


そしてシュンとした表情をして、私からふぃっと目を逸らした。


…?


「ごめん…」


そして小さな声でそう呟いた。


…へ…


…え?!



「蛍くんどうしちゃったんですか?!」


だ、だってシュンって、シュン…って子犬みたいな瞳、前はしなかったですよね?!


なんですかその可愛い表情はっ


「ららちゃんを大事にするって決めたんだもんね」


涼太くんは、微笑ましそうに蛍くんを見つめながら言った。