私はふたりの頭の上に、花かんむりをのせた。


「……可愛いですっ…」


迷惑をかけてしまったことも忘れて、ついテンションが上がってしまう。


「ふっ…」


とっても驚いた顔をしていた涼太くんだけど、面白そうに眉を下げて笑った。


「あははっ…」


「……もう、そんな笑顔みせられたら、怒る気なくすわ…」


蛍くんが、呆れたように眉を下げて言った。


でも表情や、声のトーンはとても優しい。


「す、すみませんっ」


つい夢中になってしまって…


「…もう、いなくなんなよ」


蛍くんはそう言って、拳で私のおでこを優しくコツンとした。


そう言った蛍くんの表情に、なぜかドキッと胸が高鳴る。


……胸がきゅーってなって…


…これは…なんですか?


「あっ、ケータイ出して」


蛍くんが、思い出したようにそう言った。


…ケータイ?


「…はい…?」


不思議に思いながらもポケットからケータイを取り出す。


「ん、連絡先こーかん」


へっ…


け、蛍くんとっ…連絡先こーかん?!


「なにびっくりしてんだよ、なんかあったとき電話とかできんだろ」


蛍くんは、いつものように不機嫌な顔をして言った。


…あ、いつもの蛍くんだ…


「ふっ…」


最近、優しかったり柔らかい表情をすることが多かったので、


いつものこの不機嫌そうな顔を見ると、可愛いって思ってしまいます…



「あ?なに笑ってんだ」


「す、すみませんっ」